カウントダウン
グダグダしてたら時間ばかりが過ぎて、泣きすぎて頭が働かなかったのか、本能からなのか、自分でもよく分からないけど、真っ暗な部屋の中で携帯に触れている指が示した文字は相手の迷惑も考えないワガママな4文字。
“会いたい”
絵文字もデコメも飾らずに、明日学校なのに、バイトが終わって疲れて寝てるかもしれないのに、そんな4文字を祐介宛てに送信している自分がいた。
送信しました、その文字を表示されて慌ててキャンセルを押してももう遅い。
今日学校に行かなかった事の説明もしてないのに、何が会いたいだよ、なんて慌てて訂正文を考えて打ってる内に
“今から行く、家にいるよな?”
なんて祐介から届いた。
迷惑かけてる、ワガママ言ってる。自覚があるのに、謝罪の言葉も遠慮の言葉も出てこなくて……
“ありがとう。待ってる、早く会いたい”
またワガママな迷惑メールを送っていた。
何が私をそうさせたんだろう。今会ったら今日の説明をしなきゃいけないのに……。隠しておきたいことばっかりなのに。
一人じゃいられなかった。
そして、今傍にいて欲しい人は親友の優衣でも彼氏の悠斗でもなく
山崎祐介だった。