パステルカラーの恋模様
あたしは、買ったプレゼントを見て、ため息をついた。


啓太にまだ聞けてないのに、何かバカみたいだな、あたし…。

そう思ったあたしは、ポケットからケータイを取り出した。



メール画面を開く。

大丈夫。

もし断られても、明日から冬休み。


2日も経てば、気まずい気持ちも忘れられる。

そう言い聞かせて、メールを打ち始めた時、誰かからメールが来た。



誰だろ?


あたしは今、打っているメールを中断して、そのメールを見た。



えっ!

啓太だ!


寒さのせいと、気持ちが高ぶったせいとで、指が震えてうまくボタンが押せない。

何とかして、メールを開き、その内容を読んだ。




『クリスマスは予定空けておいて!母さんがアメリカから贈ってきた美味しいシャンパンがあるなり。もちろん、ノンアルコールだけどねん☆』



そこには添付で、綺麗な箱に、チェックのリボンが巻かれた、オシャレなシャンパンと、ワイングラスが2つ入っている写メがついていた。


あたしは思わず笑った。

笑うよ。笑いますとも。


どうしよう、嬉しい。嬉しい。嬉しい!



啓太は当たり前のように、あたしを誘ってくれたんだ。

あたしは、ありえないくらい感動していた。



クリスマス、あたし、啓太と過ごせるんだ。



ねえ、あたし、うぬぼれちゃうよ?

もしかしてこのまま流れで、恋人同士に変わっていけるんじゃないかな、あたし達。なんて。



あたしは買ったプレゼントを振り回し、軽くスキップして、光の街を歩いた。




クリスマスは、あさって。
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