パステルカラーの恋模様
「えっ」


すると啓太があたしの手をつかんで引き止め、何度も首を横にふった。


これは…『行くな』って事?

ええっちょっと、ええ?



あたしはわけが分からないまま、おとなしく啓太に捕らえられていた。

男の子と手を繋ぐなんて、小学生依頼だよ…。

高校生の男の子の手って、こんなに大きいんだ。



電話はまだまだ続いている。



まだかな~…いつまで話してんだろう。

とりあえず、手を離して欲しい。何だか変な気分になっちゃうよ。



「だから何回も言ってるじゃん!俺は一人でも大丈夫だから、心配しないで」


待って?

何だか、さっきからずっと同じセリフなんですけど。

誰と何を喋ってんの?何を説得しようとしてるわけ?



あたしが貧乏ゆすりを始めそうになった時、啓太が額をおさえて、大きくため息を吐いた。


そしてあたしを見て、『ああ!』とひらめいたように指を指し、電球マークを頭の上に光らせた。



えっ?何…?!


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