パステルカラーの恋模様
啓太は、電話を持ち直して、「もしもしっ?」と張りのいい声で投げかけた。



「母さん、俺、マジで大丈夫だよ。だって、優しい彼女がいつも傍にいてくれるから」


はい?彼女?


「色々面倒見てくれるし、毎日すげぇ楽しい!」



そう言って、啓太はわざとらしくあたしを見た。

な、何…?その笑顔は…?!


い、嫌な予感…。



「あー…っと、今も近くにいるんだけど。うん。変わろうか?」


変わろうか?って……えっ?あたし!?


待ってよ。何でいきなりあたしに?

彼女って何が?!何が起きてるの?!



啓太はあたしに電話を突きつけてくる。

小声で、「いいから!何か言って!」。


いいからって!

ちょ、ちょっと待てぇーっ!
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