パステルカラーの恋模様
ドシン!

ごろごろとベッドから落ちる男。

あたしは体を起こし、布団で体を隠して、声にならない声で叫んだ。



「あ、あ、あんた!誰よ!何であたしっ、ていうかここどこっ?!」



男は寝癖のついた後ろ頭をさすりながら立ち上がって、「あ、おはよー」とのん気に言った。


あたしはもうパニックで、まだ夢の中にいるんだと自分に言い聞かせるしかなかった。


傷一つないフローリングの床、白いレースのカーテン、お洒落に小物などが置いてある。

わりと良さそうなマンションの一室。



あたしは頭を抱えて、思い出そうとした。



何で、あたしはここにいて、この男と寝てたんだろう?

昨日何があった?何で何も覚えてないんだろう?



「ふあ〜…」

何、のん気にあくびしてるの?こいつ!しかも!


「双眼鏡で何、窓の外見てんの?覗きっ?!」

「あひゃいひ(朝一)のバードウォッチング」

「はっ?」



あくびしながら言われても…。


と、とにかく落ち着こう。

危害を加えるつもりはないみたいだし、何が目的だろう?


この場所は家から近い?いや、車で連れてこられた見知らぬ地?


とにかく、まずは服を整えてこの部屋から出…。


「ああっ!」
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