パステルカラーの恋模様
びっっくりした…。


「何?!大声出さないでよ…」


すると男はただ事じゃないって顔で、双眼鏡をあたしの元に持ってきた。


「ちょ、何?」

「いいから、見て!あれ!」

「え?」


あたしはちゃっちゃと服の乱れを直し、立ち上がって窓の傍まで行き、双眼鏡で男が指差す方を見た。


向かいのマンションじゃない。

あれが何だっていうのよ。


あたしはさらに目を凝らしてみた。すると、


「ん…?」


カーテンの向こうに人が見える。

中年の小太り。黒いニット帽。タンスをあさって…えっ?



「あ、あれって、俗にいう空き巣…じゃね?」


男があたしの横で泥棒が風呂敷を担ぐマネをした。



「た、大佐、どうします?」


「ちょっと、やだ!どっからどうみても空き巣よ!ちょ、あんた!警察に電話してっ、早く!」


「あいさー!」



こうなったらもう、謎の真相は後回し!

男は「何かサスペンスドラマみてぇ!」と半分面白がって、受話器を手に取った。

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