パステルカラーの恋模様

顔をぐしゃぐしゃにして泣くあたしに、啓ちゃんはふうっと息をついて、あたしの髪をくしゃくしゃして、自分の顔もくしゃくしゃさせて笑った。


「泣きすぎ」

「だっでっ……だっで…っ、ひっく、うぐっ……うえ~」

「あ~、ほら、泣かない!」



啓ちゃんは子供をあやすように言い、あたしを抱き寄せた。

そして、よしよしと髪を撫でた。



あたしは啓ちゃんの腕の中で、本当に子供のように泣いた。

背中に手を回し、ぎゅっと抱きしめる。



あったかい。



啓ちゃんが頬をあたしの髪に擦り付けるから、あたしは、その仕草に、温もりに、またきゅんっと胸が疼く。




「本当に、本当に、あたしの事、好きなの……?本当に、本当?」

「ん」

「ほっ本当に、本当っ…?」

「ほーんーと」




「うそっ!本当に、本当に、本当?」

「本当に、本当に、本当」

「本当に、本当に………」




そう言うと、啓ちゃんは体を離して、あたしのほっぺをびよんっと伸ばし、目を細めて拗ねたように口を膨らませた。



「……美園、疑い深い」

「いひゃい……」




すぐに、啓ちゃんはいひひっと照れた顔で笑っていた。

そして、「あ、じゃあさ」と言って、ポケットを探り出した。
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