パステルカラーの恋模様
「これでよし」

「うっうん…!」



うわぁ…照れる!

啓ちゃんはふにゃっと笑って、子供みたいに手を振り出した。



「啓ちゃんさぁ、今日、絶対泣くんでしょ?」

「えっ?泣かないよ…?」



啓ちゃんは、ちょっとギクっとした。



「ウッソ!絶対泣くよ~」

「うっ…絶対、泣かない!意地でも泣かない!」



拗ねる啓ちゃんが何とも可愛い。

ずっとそんなやりとりをしながら、映画のチケットを買った。



まだちょっと時間があったから、あたし達は上の方の階にあるゲームセンターに行く事にした。



「美園、ホッケーやろ!ホッケー!」


あらあら、まぁまぁ。

ゲーセンに入った啓ちゃんは、目を輝かせて子供みたいにはしゃいでいる。



あたしは、子供に付き添っている保護者みたいな気分になったけど、エアーホッケーの前に立って、気合を入れている啓ちゃんを見て、あたしもそのノリに乗って、気合を入れた。



「よーしっ絶対勝つからね!啓ちゃん!」

「はっはっはー、どうかな?俺は昔、ホッケー王子って呼ばれた事があったんだよ」

「それ、今考えたでしょ!(笑)」




百円玉がいくつも挿入され、四回戦までやった結果、勝ったのは……
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