パステルカラーの恋模様

帽子屋さんに入り、色々かぶってみたり、サングラスをかけてみたり、どっちが似合う?なんて、服を合わせてみたり。


CD屋さんに入って、お気に入りのアーティストを紹介し合って視聴したり、本屋さんで、今流行りの本を立ち読みしたり、ペットショップを覗いたり、クレープ食べたり。




そうやって仲良く回っていると、今までの仲良しな二人に戻れた気がして、すごく嬉しかった。

いや、今までよりもっと仲良しになれた気がする。



帰り道、あたし達はまた手を繋いで歩いた。



「う~、寒いね~」

「早く春が来ないかなぁ」



でも、寒いのもいいと思ってる。

寒いからこそ、こうやって、くっついて歩けるもんね。



「ね、啓ちゃん」

「ん?」

「呼んでみただけ」

「ははっ、何それ」

「ひひ、別にっ?」





すると、啓ちゃんの携帯が鳴った。

啓ちゃんはごそごそとポケットを探り、携帯を出した。


メールが2件。



「誰だった?」

「鮫っちと……愛美だ」

「えっ」
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