パステルカラーの恋模様

―…

クラスでは、友チョコや、本命、義理…と、とにかく甘~い雰囲気が充満していた。

何だか微笑ましく思いながら、あたしもちゃっかり、明日香を初めとして、友達にもお菓子を配った。



そしてついに、放課後。

携帯を開くと、啓ちゃんからメールが。



『ちょっと係りでやんなきゃいけない事あるから、先に家行ってて(>_<)』



はいよ~。

あたしは、了解メールをさっさと返し、教室を出た。




公園を通り過ぎて、ピンクのお家。

そしてすぐ啓ちゃんのマンションがある。




本当、軽く久しぶりだなぁ。

色々あったもんね。



でも何か、やっぱり新鮮な気持ち。

あたしはエレベーターに乗り、あの空色の鍵でドアを開けた。




開けた瞬間、ポポの鳴き声がする。

あたしは鍵を閉めて、「ポポ!久しぶり~」と飛びついた。



ポポは嬉しそうにしっぽを振っていた。

改めて、コートを脱ぎ、荷物を置き、暖房をつけて、ふうっと一息つく。




部屋をぶらぶらと歩いて見回す。



このベッド、思い出すだけで笑っちゃう。

あの時は、すごい恥ずかしい所見せちゃったなぁ。



でもここが、この部屋が、二人の原点だよね。




神様ありがとう!

啓ちゃんと出会わせてくれてありがとう!




二人を結んでくれて、ありがとう!



あたし、世界一幸せです。

啓ちゃんも、そう思ってくれてたらいいな。


その時、電話が鳴った。
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