パステルカラーの恋模様
「やだっ、もしかして指輪?!」


と明日香がさらに興奮して声をあげる。

あたしはパニックで何も言えない。


啓太はそれだけ用を済ませると、ふにゃっと笑って「じゃあにぃ~」と言って、またふわふわと去っていった。


「……」


あたし達は嵐が去った後のように、一瞬静まり返る。

すぐに明日香があたしを見た。


「ちょっと、ちょっと、聞いてないよ?あたし!」

「だからね…あれはただ、アメリカンジョークって言うか…冗談よ、冗談!」

「何か、甘~いって感じ。とろけそう」

「うん……」


はっ!


「何よもう、ノロケ?!」

「違っ!」


すると明日香はひょいっと例の小箱に手を出した。


「あっ」

「何くれたんだろ?」


小箱のリボンをはずし、ふたを開ける。

二人とも興味津々だ。


中に入っていたのは…。



明日香が中の物を取り、目の高さまで持ち上げた。
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