パステルカラーの恋模様
「ああ、あの甘い夜の事?」

ボンっ!

今、絶対あたしの頭の上で何かが噴火した。


「ちょ、ちょっと!へっ変な風に脚色しないでよ!」

「してないもん」

「し~て~る~!取り消しなさいっ!」

「あれ、何か顔赤くない?美園」

「はぁ?!」


まったくコイツは~!


でも啓太って、変わってるっていうか、気の向くままって言うか。

こんなに自分の気持ちをストレートに伝えられるなんて、今時めずらしいよ。


でも何か思うんだけど、啓太が言う事ってみんな優しいね。

いい奴だよ、啓太。



「あ、そういえばさ、どうだったの?先輩とは」


あっけにとられるあたし。

あんなに空気悪かったのに、聞くんだ。

ポポちゃんはテコテコと辺りを歩き回っている。



あたしは直樹先輩と放課後あった事を思い出した。

見る見るうちに、またあのニヤニヤ病にかかるあたし。



「聞きたい?」


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