パステルカラーの恋模様
「あれ?先客?」

「え?」


声のする方を見ると、コンビ二の袋を持った、明らかにうちの高校の制服を着た男の子が立っていた。


ギザギザの前髪。左耳には、ピアスをしていて、肩にギターケースを下げている。



男の子のネクタイは赤。

タメ…?


っていうか、誰?!



「あのー…?」

「あんた、何?啓の見舞い?」


何って…。

あんたこそ、何よ?


何だか無愛想な喋り方に、ムッとしてした。


「そうですけど?」


すると男の子は、「ふ~ん」とこっちに歩いてきて、慣れ慣れしくあたしが持っていたコンビ二の袋を取り上げ、「ちょ、見せて」と言って中身を見た。



「あ、これ俺も買ったよ!んだよ、かぶってんじゃん!じゃ、これ1本ちょーだい」

「あっちょっと!」



そう言って、男の子はあたしが持っていた袋の中から栄養ドリンクを1本出して、プシュっとふたを開け、飲み始めてしまった。


喉がなるなる!


な、何なのコイツ!?



「ぷは~。あ、これ返すわ」


おっさんみたいに、「っか~!」と顔をほころばせ、瓶をあたしに押し付けた。


「ちょっと…ぷは~じゃないわよ!あんた、何者?!」

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