カモミール・ロマンス

次の日の朝。

勇気と翔が教室に入るとそこに直也の姿は無かった。

勇気が美咲の方を見ると、美咲は力強く頷いた。


他愛もない話をしているとチャイムが鳴った。

それからほどなくして教室のドアが開く。

「はよーっす」

寝癖だろうか、少しハネてしまっている横の髪を手で押さえながら直也が入ってきた。

「遅いよナオ、もうチャイム鳴ったんだからね」

「ふぁ、知ってる。廊下歩いてる時に鳴ったから」

直也は自分の席にカバンを置く。

「四葉姉さんがさ」

直也はゆっくりと勇気、翔、美咲を見た。

「変な芝居して怖がらせちゃってゴメンね。オレが大切なことに気付くためにはどうしても必要だと思ったの。だってさ」

少しだけ納得のいってないような表情で直也はそう言った。

席に座り、腕を枕にして机につっぷす。

「結局いつも通りじゃんな?」

「んー?でもそれがナオの良いところでしょ?」

「ま、何にもなくて本当に良かったじゃない」


担任の川合が入ってきて出席を取った。

「休むなら連絡をしなさい」と注意されたのを、直也があくびで返事したのでクラスに笑い声が響いたのだった。





< 113 / 228 >

この作品をシェア

pagetop