カモミール・ロマンス

「もう3年にもなって言うのもあれなんだけどさ……」

「ん、待ってそれ心当たりあるかも」

「あー、うん」

勇気と直也と翔が自分のクラスへと戻るために廊下をだらだらと歩いている。

その手にはメガホンの様に丸められてしまった英語の教科書が握られている。


「…………

ぬしたち」

ぽそっと溢したのは勇気。

「ぷっ、はっはっは」

「……くっ」

それを聞いた直也と翔が一斉に吹き出した。

勇気はそれを見て追い討ちをかける。

「何を笑っているのだね主達」

「くっくっ、ぷあー。

やめて、主達やめて」

「ユキしかも何気に声真似似てるとか反則!」

げらげらと笑う三人。

その声真似の主が後ろから近づいていることなど気づいてもいない。

「おいおい、主たち」

「だから、もう止めてー」

「いや、主達!」

「ちょ、ホントに止めなよユキ。

ってあれ?今後ろから聞こえた?」

「主達、主達!主達!!」

三人は恐る恐る振り返る。

「何の話をしているのだね?主達」

そこにいたのは瀬谷と同じ英語の講師である乙黒であった。

「乙黒先生いつから?」

「主達が英語の教科書を丸めるあたりから居たぞ」

「………ほう」

乙黒は表情が読みにくい。

ポーカーフェイスといえばポーカーフェイスなのだが無表情ではない。

笑顔のポーカーフェイス。

そのツルツルなはずの眉間に少しずつ皺が寄っていくのは恐怖以外の何物でもないのだろう。

「人様をバカにしおって!このバカ者共めがー!!!」



< 228 / 228 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
高レベル冒険者なのに、倒すのはスライムばかり。 それでも彼がギルド長であるのには、理由がある。
【短編集】時空郵便

総文字数/52,193

ファンタジー82ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
◇◇◇◇◇ 人生でたった一度だけ 未来や過去の自分に宛てた手紙を送れるとしたら あなたは何時のあなたへ 何と書いて送りますか? これはそんな奇跡によって運命を変える"チャンス"を与えられた人々の物語 ◇◇◇◇◇ ☆Thanksレビュー☆ てぃあら。*゚+.様 高杉 誠様 紅燐様 三浦 遥様 6/25 【軌跡と奇跡】完結
平和な国。

総文字数/2,325

ミステリー・サスペンス5ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
おはよう。今日もここは平和な国。 悪いものは見えなくする。見える幸福がやってくる。ね? 今日、私たちは同じ歴史を学んでいる。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop