二次元ガールとモテモテボーイ
体育倉庫の中は小さな窓から
夕日が差して赤く染まっている。
冷たい男は跳び箱の上に腰をかけた。
あたしは無理矢理冷たい男の
目の前に立たされる
形になってしまっている。
「あの…、あなた誰なんですか?
私に何の用なんですか?」
抵抗する意欲などもうなかった。
兎に角相手の言い分を
聞いて早くバイトに行こう。
「あ、僕ー?僕は2-8の…椎名颯真。」
やっぱり!
噂に聞いていた通りの見た目、
この人が椎名颯真…。
「僕の事知らないなんて
かわってるねー。藤堂さん。」
さっきから何なんだ、淡々とした話し方。
馬鹿にしているの?
兎に角今はそんなことはどうでもいい。
「何の用なんですか?
てか何で私の名前を知ってるんですか?」