二次元ガールとモテモテボーイ




体育倉庫の中は小さな窓から
夕日が差して赤く染まっている。


冷たい男は跳び箱の上に腰をかけた。


あたしは無理矢理冷たい男の
目の前に立たされる
形になってしまっている。


「あの…、あなた誰なんですか?
私に何の用なんですか?」


抵抗する意欲などもうなかった。


兎に角相手の言い分を
聞いて早くバイトに行こう。


「あ、僕ー?僕は2-8の…椎名颯真。」


やっぱり!


噂に聞いていた通りの見た目、
この人が椎名颯真…。


「僕の事知らないなんて
かわってるねー。藤堂さん。」


さっきから何なんだ、淡々とした話し方。


馬鹿にしているの?


兎に角今はそんなことはどうでもいい。


「何の用なんですか?
てか何で私の名前を知ってるんですか?」



< 19 / 56 >

この作品をシェア

pagetop