借金取りに捕らわれて
「どちら様ですか?」


私はドア越しに声をかける。


「取立屋です。今月分の残り取りに来ました~」



えっ!?えっ!?昨日取立に来たばっかりじゃない!!

それにこの声!!田中さんじゃない!!

もしかして本当に恐いお兄さんが来ちゃったの!?




私が「どうしよう!?」と次の行動に迷っていると…


「柏木さ~ん。お金返して下さ~い。」



と、ドアをドンドンと叩き始めた。



どっちにしろ逃げられないんだから腹を決めよう!!


「すみません!!まだ用意出来てません!!」



ドアを急いで開けると同時に頭を深々と下げた。



きっと次顔を上げた瞬間、胸倉を捕まれてぶっ飛ばされるんだ~



そんな想像をしていると、予想外の声が降ってきた。



「じゃあいつなら用意できるんだ?」



あれ?いきなりは殴らないの?

まさか詰ってからの暴力?

精神的に痛め付けてから体を痛め付けるのね!?

なんて卑劣な!!

それで最後はきっと半殺しなんだわ!?





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