借金取りに捕らわれて
大事なこと
膝を抱え後部座席の隙間に身を潜めて、どのくらいの時間が経っただろうか?




二人は大丈夫だと思うけれど、時間が経てば経つほど心細くなっていく。





「秋庭さん…」





ここからじゃ秋庭さん達がどうなったかは全く分からないし…

ちょっと様子見てこようかな…





と、膝に乗せていた額を少し浮かせた時、背にしていた窓が叩かれた。




コンコンと優しく叩かれただけなのに、今まで静まり返っていた車内には良く響いて飛び上がるほど驚いてしまった。




恐る恐る振り返ると、そこには…





「ヒロ、大丈夫か?」





秋庭さんの姿があった…





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