借金取りに捕らわれて
秋庭さんに無理矢理お姫様だっこされたとこまでは覚えてる…




そうだ…秋庭さん…




横を向いてもそこにいたはずの秋庭さんの姿はなく、誰かいたであろう空白があるだけだった。


ベッドから上体を起き上がらせ部屋を見回すけれど、それでも部屋のどこにも彼を見つけることは出来ない。





もしかしたら隣の部屋に…





とも思ったが、朝の静けさが他の部屋にも彼はいないと告げている。






あれは夢だったのかな?

でも…






ベッドの空白に手を触れればそこはまだ暖かい。





やっぱり側にいてくれたんだ…





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