借金取りに捕らわれて
私はパッと弾かれたように顔を上げた。


「好きとか軽々しく言わないで下さい!!」



この人の好きは恋愛の意味じゃなくて、気に入ってるって意味の好きなんだろうけど…

凄く照れ臭くなってる自分がいた…


目が合った秋庭さんは微笑んでいて、私の頭をポンポンと撫でる。


「ハハッ、顔真っ赤だな、可愛い奴。
本当に俺に惚れてみるか?」


「なっ、ななな…」


さっきから何を言うの!?この人は!!


「結構です!!」


「遠慮するな。」


「してません。」


私はむきになって言い返し、秋庭さんを背にして歩き出した。


その後を秋庭さんが追って来る。



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