借金取りに捕らわれて
ジュリエット
車は5分程して、ネオン煌めく街の一角に停まった。



車から降り、秋庭さんに案内されたところは周りの店より一際大きな高級感が漂う店だった。



正面は煉瓦作りで、右手の壁には淡いピンクのライトが輝く中に英語で『ジュリエット』の文字が浮かんでいる。



アーチ状の入口には本物の赤いバラがツタを絡ませ、その中を通り扉を抜け階段を降りると白塗りの壁に女性の写真がいくつも飾ってあった。


一際大きな写真がこの店のナンバー1なんだと分かる。



長いピンク掛かった明るい茶色の髪を縦巻きにしていて、完璧な笑顔で微笑んでいる。



全体的には綺麗と言うより可愛い系だ。



しかも飛び切り可愛い。



その中央に置かれた写真は誰よりも目を引くのだが、私は隣の写真に目がいった。




< 85 / 354 >

この作品をシェア

pagetop