好きです。




私の心がずんと沈んだことなんて知らずに、藤山くんはまた私を呼んだ。




「一緒にお昼食べようよ」




嫌。


なんて本当は言いたいのに、いつも由美が先に




「良いよー」




なんて笑顔で手を振る。


人が困っているのを、面白がって。なんて奴だ。




仕方なく中庭で三人で円になって昼食をとる。

地味な私と人気者の藤山くん。

由美を入れても不釣り合いには変わりない。

周りの目を気にする私には、こういうのはキツいのだ。




「ねぇ、藤山くんは恵子のどこがいいの?」




突然由美が発した言葉に目を見開いた。
な、何を言ってるの?




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