7days
「お兄ちゃんは?お兄ちゃんはどうしたの?」
――――四月二日 PM04:06
あの時お兄ちゃんに電話は繋がらなかった。いないだけだと思った。出掛けているだけだと思った。だから大丈夫だよね。お兄ちゃんは無事なはずだ。
でも、おばあちゃんはまた目線を反らして下唇を噛み堪えている。その目からは大粒の涙が溢れている。
「…や…うそ…」
もしかしてお兄ちゃんも。いやだ。そんな、まさか。
「いないの」
「いない?」