7days
「タツキさん。タツキさんは?」
か細い声でテープレコーダーのように彼の名前を繰り返した。
「大丈夫よ。あの子が警察に電話してくれたの」
私を落ち着かせるように、おばあちゃんはトントンと私の身体を叩き“大丈夫”という言葉を繰り返す。
「後できちんと連絡しておくから今はゆっくり休んで」
そんなこと言うけど休めるわけない。
お父さんとお母さんがあんなことになって、タツキさんには相当迷惑をかけたんだろう。おばちゃんもおじいちゃんも随分と疲れた顔をしていて。
私だけ病院のベットで横になっているなんて。それにお兄ちゃん――
……そうだ。忘れちゃいけない。
「おばあちゃん」
「ん?なあに?」
「お兄ちゃんは?」