sweet×sweetな恋モヨウ


「ユキちゃん、お守りってどれがいいの?どれが1番効果的?」

「えー?そうだな…人気あるのはこれだけど…目的によってだいぶ違うよ?“両想い”祈願ならこっちだし“結婚”ならこっちだし…」


詳しく解説してくれるユキちゃん。

さすがだ。
このタイミングで会えてよかったよ。


「って言うかさ、お前1人で来たの?」


どうやら選び終わったらしいユキちゃん。

ひとつのお守りを差し出した。


「違うよ。アヤも一緒に…」


それを受け取りつつ、俺は辺りを見渡す。

トイレに行くとか言っていなくなっちゃったんだよね。

急に参拝客が増え始めたから、混んでるのかも。

アヤが迷うわけないし。


「へぇ。例の彼女と一緒なんだ?ぜひ会ってみたいな。」


楽しそうに笑うユキちゃん。

アヤのことはしょっちゅう話してるから、前から“見てみたい”って言われてたんだよね。


「いーよ。戻って来たら紹介するね。ところで、ユキちゃんはここで何してるの?」


家の手伝いじゃないっぽいし……


「あー…俺は…『幸人くーん!』


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