もう一度あの頃に…、


「ごめんね?ゆいのこと
泣かせちゃったね…」

あゆはわたしの後ろで
泣きそうな顔をしていた。

「う、ううん!あゆの
せいじゃないよ!」

「じゃあなんで泣いてたの?」

なんで泣いてたの?
そんなのわたしが聞きたい。
わたしだって泣いてた理由
なんてわからない。

涙がなぜ止まらなかったか。
なぜ中沢と喋ってたら気持ちが
楽になったのか。
そんなのわたしにわからない。
でもあゆには言えない。
言ってはいけない気がする。

「んー…実はさっき横田が
他の女子と仲よさげにずーっと
喋ってたからちょっとした嫉妬だよ。
でも今たくさん喋れたから大丈夫!」

適当なうそをついた。
あゆにばれてそうな気も
するけどいいんだ。
いつか答えがわかったとき、
わたしはちゃんとあゆに
話すんだから。。

「…そっか、それなら
いいかな…それなら…」

あゆは意味深な言い方を
してきた。

「な、なんだよ~!!
隠し事なんてしないでよ!(笑)」

ふざけて言ったつもりだった。
でもあゆは本気で受け取った。

「ゆいだって…ゆいだって
隠し事してんじゃん!わたしは
全部話してるつもり…でも
ゆいはいつも適当な返事ばっか…
詳しい事も大事なことも全部、
全部教えてくれない!」

次はあゆが泣きだした。
なぜ?なぜあゆが泣く必要が
あるのかな?それは
わたしも一緒のことか…。
なんでさっき泣いたの?
って聞かれたけどわたしは
答えられなかった…。
ううん。答えなかった。

答えられたのに
答えなかった。

それはなぜ?あゆが
傷ついちゃうから。

なんであゆが傷つくの?
それはわたしも中沢の事が
大好きだから…。

もう気持ちにうそが
つけなくなってしまった。

そうわたしは中沢の
ことが好きなんだ…。
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