縦笛@ne.jp

「ねぇ、石田。」


『ん?』


「思い切り抱きしめて。思い切りキスして。」


石田は何も言わずにあたしを抱きしめてくれた。


強く。


優しく。


「ありがと…ね…。ほんとに…本当に、ありがと。心から大好きだよ。」


溢れ出る涙が止まらなかった。


もう顔なんてグチャグチャになるくらい泣いていた。


あたしたちは素直に抱きしめあったんだ。

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