。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
戒が指差した空を見上げると、確かにそこはまるで絵の具を零したような真っ青な空が広がっていた。
雲ひとつない晴天。
お日様の光りがキラキラしていて、きれいだった。
「なぁ。こうして手を伸ばすと、何でも掴めそうな気がしない?」
戒はにっこり笑ってあたしを振り返った。
笑顔が太陽以上に眩しい。なんかこいつの周りキラキラしてるように見えるのは目の錯覚??
「はぁ?何言い出すんだよ。お前本読みすぎで頭いかれちゃったわけ?可哀想なヤツ」
あたしは照れ隠しにわざと憎まれ口を叩いたけど、こいつは気にしてない様子。
開いた掌をぱっと閉じて、ゆっくりとあたしを見た。
「何か掴んだかも」
「はぁ?」
ホントにこいつどうしたんだよ??気持ち悪りぃな。
「また虫だったらマジで勘弁」
あたしは苦い顔をしてちょっと戒を睨み上げた。
「分かんね。でも何か硬いもの。隕石だったりして」
そう言った顔はどこかわくわくしてて、まるで少年みたいだった。
「男って好きだよな~。隕石とか。お前もちょっと可愛げあるじゃねぇか」
そう言って笑うと、戒はにゅっと拳をあたしの前に出してきた。
「何が入ってるでしょ~?」
「知るかよ」
いい加減お前の脈絡のない会話に付き合ってられねぇんだよ。
あたしは面倒くさそうに戒の拳を見た。
戒の拳があたしの目の前でゆっくりと開かれる。