。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

お見舞い!?



目覚めは最悪だった。


大きな欠伸をしながらリビングに行くと、スーツ姿の叔父貴と鴇田が居て、さらに気持ちがどんよりと落ち込む。


食欲なんて全くなかったけど、叔父貴の用意してくれたトーストを何とかかじると、鴇田の運転するセルシオであたしたちは揃って学校へ向かった。


「じゃぁな、朔羅。また向かえに来る。しっかり励めよ」


と爽やかに去っていく叔父貴。


ヤクザのくせして、何であんなに朝から爽やかなんだよ!って突っ込みたくなる。


「おはよ~朔羅!!」


教室につくなりリコがもの凄い勢いで抱きついてきた。


「リコ……」


いつもと変わらない元気なリコを見て急に気持ちが緩んだ。


「リコ~」


あたしはリコを思い切り抱きしめた。


「おはよ~朔羅♪」どさくさにまぎれて後ろから千里も抱きついてきた。


「てめぇどさくさにまぎれて抱きつくな!」ってな具合でいつもは戒が千里を引き離すのに、その戒の姿はない。


妙な寂しさと物足りなさを感じつつ、あたしは大人しく席に着いた。



―――……


戒が居ない一日はのろのろと、それでも確実に時間は経ちあっという間に下校時間になった。





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