唇にキスを、首筋に口づけを



「ご飯どうする?」



「え、今何時?」




「えーと、


1時くらい。」




「あー、じゃあ飯どぎだな。」



「うん。」



「何食べたい?」



「えー・・・、



ファストフードと牛丼以外。」



「定番否定しやがったな。」



「飽きたもーん、


あ、辛いものも嫌。」



「ま、あちーからな。


と、なるとー・・・」



爽哉はうーん、と考える素振りを見せる。



そして数秒後、にたっと笑った。



ん?何か思いついた?



私は小さく期待する。




「俺さー、


お前のバイト先で飯食いたい。」



ニコ、興奮している小学生みたいな笑顔だ。



「は?」



私は思わず変な声が出た。



え、は?


何言っちゃってんの?




「いやいやいや、


え?」



「え?」



「え?」



「え、何この返し方。」



「え、なんか恥ずかしくない?


自分の働いてるところに客として、とか。」



「フツーだろ。」



「え、えぇぇ」




「んま、決まりで!



行くぞ!」



そういうと爽哉は私の腕をグッと掴んで大きく踏み出した。




「うわっ、」



私はよろける。



けど爽哉の腕で転ぶことは免れた。




「危ないよー」



「わりわり」



「暑いしー、くっつくなしー」



私は爽哉に掴まれている腕を横目に見ながら言った。




すると、



「え、



あ、


ごめん!」



バッ、


と爽哉は腕を離した。



・・・?



何、この反応。



ん?と思って爽哉を見れば、耳が赤かった。



マグマの色に近い、そのくらい。



え、え、


何この新鮮な感じ。




ピュア・・・?



嘘、


すごく意外。



爽哉が私のこと女と思ってるとか。



家族だから、


カテゴリーがお母さんと一緒だと思っていたのに・・・、




変な、感じ。






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