執事と共にバレンタインを。
彼は、組長《カシラ》である祖父の右腕を務め、両親のいない恵理夜の父親代わりでもあった。

好奇心で輝く30代半ばの細面で聡明な顔は、とても極道の人間とは思えなかった。


「バレンタインチョコでも作ってるのかな」


春樹と恵理夜は手を止めない。

大量のガナッシュも、その作業により次々と完成の形を成していく。

淀みない共同作業にシラヤナギは感心した。
< 24 / 161 >

この作品をシェア

pagetop