lucky×unlucky


-篠宮杏side-

幼い頃からお父さんとお母さんは殆ど家にいなかった

居たのは家政婦だけ

私は、5才から会社を設立、経営するためのノウハウをお父さんに言われて必死に勉強していた

勉強は苦ではなかった。もともと覚えるのは得意だったから

たまに帰ってくるお父さんに覚えた事を話せば嬉しそうな顔をして

『杏は天才だなぁ~♪これで将来お父さんの会社を任せられるな♪』

髪をクシャクシャにされて褒められて、私はもっと勉強に励んだ

そして、今では本当に会社の責任者になってしまっているのだけど


そんな忙しい二人が私の誕生日に連れて行ってくれたのは遊園地

メリーゴーランドにお母さんと二人で乗ったり、コーヒーカップにお父さんとグルグル回して遊んだり

これほど楽しかった事は無かった

最後にみんなで観覧車に乗って、頂上の綺麗な景色にはしゃいだ

その様子を微笑ましく見ていた二人は

『杏にはいつまでも笑っていて欲しい』

『それが、お父さんとお母さんの願いだ』

優しい声で、優しい言葉を紡ぐ二人



笑う…

そう…この時は笑っていた

日向がいなくなってから

私は心から笑えなくなってしまった


同時に、私の運も更に下降の一途を辿っていった


まるで、これは戒めだと言わんばかりに


日向がいなくなったのはお前のせいだ

誰かにそう言われている気がした








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