黒龍
――――
「うわぁ・・・!!」
すっごいよ!!
中学とは、全然違うの!!
一言で言えば・・・ヤバい?
うん。
ヤバい。
今から本当に入学式が、あるのだろうか。
ってな感じ。
不良がいっぱい。
でも、ちらほら普通の人がいるから、ちゃんと入学式はあるんだろうな。
とりあえず、入学式のある体育館に行こう。
――?
「なにあれ」
校舎の前に人混みがある。
なんだろ。
野次馬心が強いから、ついつい見に行きたくなる。
ただ今8時。
入学式まで、まだ時間はある。
・・・。
よし!!
見に行こう!!
人混みに近づいて行った。
でも――
「うーん」
――見えない!!
ピョコピョコ、ジャンプしても元々背が低い私は、前にいる人達が邪魔で見えない。
今は149cmしかないこの身長をうらむよ。
「――むぅ」
頑張っても全然見えないから諦めて、体育館に行こうとすると――
「にゃ!?」
――何かに躓いた。
これは、もしかしなくてもこける!!そう確信した。
でも・・・
「あれっ?」
・・・痛くない?
なんで?なんで?
こけたのに、なんで痛くないの?
――!!!?
「あわわっ!?」
私の下に人がいた。
「――ってぇ!!」
「ごめんなさい!!」
とりあえず、謝って顔を上げると――
――目の前には、男の人の顔があった。