姉妹
「おばぁちゃん、何かしら」



予想がつかないというわけではなかったが、美紅はあえて毅然とした態度で言った



「声が大きいわ、扉はちゃんと閉めたの?」



明らかに善蔵の耳に入ることを警戒している



―無駄なのに。あとでばれることよ



美紅は喉まで出かけた悪態をそっと押し込み、心の中で毒づいた



「本題に入るわよ」



「早くして。私が遅刻して先生に呼び出されたくはないでしょう」



「…?」



いつになく強気な美紅に祖母はいくばくか動揺した



美紅自身も訳が分からないことではあったのだが
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