姉妹
突然の想定外の反撃に完全に腰を抜かした祖母は、その場から動けなくなってしまった
「じゃぁわたしは学校へ行くわね。遅れるわけにはいかないの。」
振り返らずにバタンと戸を閉めて、だれもいなくなった扉を祖母は呆然と見つめていた
「おじぃちゃん、学校へ行くわ」
「大丈夫だったか、美紅」
驚くことなかれ、ほんの数十秒前までの悪魔の気配はとうに消えて、いつもの可憐で弱く脆い、どことなく陰のある少女に戻っていた
「うん。大丈夫よ。それよりおばぁちゃんの心配をしたほうがいいかもしれないわ。すごく興奮していたから、血圧が心配なの」
「それは任せなさい。さぁ、行っておいで」
―おじぃちゃんは私を悪魔扱いしない
―幸せを奪ったりしない
「いってきます」
美紅は朝日の中を走った