姉妹

日常を守るにはどうしたらいいかしら



「美紅!帰りましょう!晴樹くんも一緒に」


「姉様・・・話したいことがあるの」


「何?」


美月は美紅の表情に潜む暗い陰をみた


何かあったんだわ


「どうしたの」と聞こうとした刹那、懐かしい声がした


ここで聞けるはずもない、懐かしくも二度とききたくなかった声が



「相変わらずべったりな双子ね」


「・・・絵梨花?」


なぜここに?
なぜ同じ制服を着ている?
美月は混乱のあまり声を出せなかった



「美月ちゃんは美しいわね。もっとも、顔自体は全く一緒なんだけどね」


そうして絵梨花はまっすぐ美月をみた


美月はやっとの思いで正常心を取り戻した


「絵梨花、なぜこの高校に来たのよ。言っちゃわるいけどここはかなりの進学校よ」



「失礼ね。私そんなに馬鹿じゃないわよ。でも入学はパパに頼んだの」



「あなたたちがここに入学するって聞いて」
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