姉妹
―「あほとはなんだ!」
「デートでも電話でも何回も楽しいことすればいいだろ何遠慮してんだよお前は」
―「今日はそれどころじゃなかったんだよ」
「ふむ、これでようやく本題に入るわけだな」
茶番と化した前置きを終えて、晴樹は今日起きたこと、善蔵から大切な話を聞いたことを話した
「はーしかし晴樹、倒れた時に晴樹を呼べって言われたって…どんだけその善蔵って人に信頼されてるんだよ」
―「それは俺も思った。それだけ美紅を気にかけてるんだろうな」
「なるほどね。で、善蔵さんから何聞いたんだ?」
―「姉妹が生まれるちょっと前の両親の話」
「ずいぶん重い話聞いちゃんだ」
―「あぁ」
「俺には言えないわけね」
―「多分な」