姉妹

泣き止むまで4時間はたっただろうか


辺りは夕焼けが差し始めていた


「もう泣き止んだ?」


「ありがとう」


和也は慈悲そのものの表情でいとおしそうに美月を見ていた



「すっきりした?」


「ええ。思いっきり泣いたおかげね」



美月も感謝をこめて涙を拭いて和也を見返した




「美月ちゃん、これだけはどうしても言わせてほしいんだけど、俺は二人で一つっていう考え方は理解できないな」


「そうでしょうね。私だって普通はそんなこと思わないだろうなってわかるわ」


「じゃあなんで?」


「二人で一つだから、幸せもどちらか一方だけ。二人で一つずつしか持てない。一人の中に二つを半分ずつ持つことができない。おかしいわよね」


「分かってるのに、どうして」


和也は必死だった


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