姉妹
「美紅・・・?」

美月は恐る恐る美紅の顔を覗き込んだ


「・・・・・」

反応は、ない


放心状態


「美紅、あなたは悪くないのよ。自分を責めないで。あれは事故よ。有栖川さんは気が動転して足を踏み外してしまったのよ。」


「・・・いいえ・・・私のせいだわ」


「違うわ!あなたは有栖川さんを突き飛ばしたわけじゃない。皆見てたわ。」


「でも私のせいだわ・・・」


「違うってば!あなたは何もしていない。」


「・・・確かに何もしていないわ。でも違うの」


「?」


「聞いて姉さん。私は思ったの。姉さんを侮辱して、それでも悪びれた様子もない有栖川さんをみて私は・・・私は・・・」



「痛い目にあえばいい、」


「階段から落ちて」


「確かにそう思ったの・・・」

ふっと笑った美紅と目があった


美月は焦った。何とかしなければと

「そんなの頭で思っただけじゃない、あの場にいた誰もが有栖川さんに理不尽を感じていたわ。」

「あなたは悪くない」


どうか、美紅に届きますように


「ありがとう姉さん、嬉しいわ」

「でも私、姉さんにまだ言ってないことがある」

「あの子が落ちたときね、私・・・」


「とても嬉しかったの」


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