姉妹
「最初に言っておくと、全部を話すことは出来ないよ。俺と美月ちゃんの秘密だからね」
いたずらっぽく和也は笑った
「妹である君には申し訳ないと思うんだけど、これだけは譲りたくないんだ」
美紅がどんな反応をするか和也は少し顔を上げた
これでも気にはしているらしかった
しかし美紅の反応は意外なものだった
「良いわよ別に。無理に全部言わなくても」
「え、いいの?気にならない?」
和也はペンを落としてしまった。もっと問い詰められると覚悟していた分だけ拍子抜けした
「自分から言えないなんて言っといて何よ」
美紅は表情を一切変えずに言った
「いや、そうなんだけど、普通聞くだろ?」
和也の方が焦っていた