姉妹

「なら私は普通じゃないのかも。気になることは気になるけど、姉さまとあなたの間の会話を逐一知りたいなんて思わないわ」



なるほど、と和也は思った



「泣き虫で不安がりの美紅ちゃんはとうに消え去ったってわけね。なるほど君は変わった。晴樹のおかげ?」



「ええ」



照れもせず言い放った態度に和也は動揺したが、今度のはすぐに隠すことができた



「でも一つだけ聞きたいことがあるわ。これだけは絶対答えてもらう」



美紅は答えるまで付きまとってやるから、という雰囲気を全面的に出してきた



「何?」



「姉さまがいなくなった原因が私の変化だってことは分かってる。私たちは考えが一緒なのに、だれよりもわかるはずなのに、無視したのには私の責任でもある」



「そう?」




「だから一つ聞きたいの。都合よく罪滅ぼしにしたいのだと思うならそれで軽蔑してくれても構わないわ。」







「姉さまは私を恨んでいたかしら?」



< 306 / 327 >

この作品をシェア

pagetop