姉妹
「よく姉さまを分かっていたのね」
美紅は素直に口にした
和也も隠すことなく答えた
「まぁね。ずっと見ていたから」
ここまで聞いて美紅は納得した
「分かったわ。なぜ姉さまがあなたにだけ打ち明けたのか。学校をさぼるくだりとかはその場の流れだったのかもしれないけど、そんなのきっかけにすぎなかったのね。姉さまはあなたに打ち明けること選んだ。姉妹である私よりもあなたの方が姉さまを分かっていた」
「それは至極光栄だ。でもね、他人である方がよく見えることもあるんだよ」
和也はいつものへらへらした表情だった
この表情が懐かしいと美紅は感じた
「だからね、美紅ちゃん。今度会うときは美月ちゃんをもっと理解出来るようになっていると思うよ」
和也のいうことは的を射ている
「今度会うとき、ね。姉さまはいつ帰ってくるのかしら」
「いつかは分からないけど、必ずまた逢う約束をしたよ」
「なら絶対会えるわね」
美紅と和也は顔を見合わせた
「ばいばい」
「また明日」
和也と話していくらか希望が見えてきたと思えた