姉妹
「もういいってどういうことよ」

「そのままの意味よ」

美月は信じられないといわんばかりに目を見開いている

「今まで私は姉さんに助けられてばかりいたわ。そろそろだと思うの。」

「そろそろって、」

「姉さんは一人の人間として独立するべきだわ。私はいつまでも姉さんに甘えて縋ってはならない。」

「でも私はあなたの双子の姉なのよ。それは未来永劫変わらないわ。」

「ならば姉さん、私の幸福な半身として生きて?」

「幸福な・・・半、身・・・」

愕然と立ち尽くす美月からやっとの思いで目を離し、美紅は絵梨花に視線を移した。

なんの汚れも迷いもなかった


「有栖川さん、あなたが落ちたとき笑ってしまってごめんなさい」


「まじで美紅ちゃん笑ったんだ!」
「あの子認めたよ・・・」
「一体どんなつもりで」


「それは非人間的な行動だったと反省しているわ。でも後悔はしていない。」

「あなたが美月姉さんにしたことを心の底から謝らないかぎり私は貴女の不幸を喜び続けるわ」


「悪魔になりきる覚悟はとっくの昔に出来ているのよ」


美紅は刺すような鋭い視線を絵梨花から離さなかった

絵梨花は蛇に睨まれた蛙のように動きを封じられた
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