心はcloudy sky



「広也………!」


広也の両親は抱き合って祈った。


品濃はうちの肩を片手で抱いて、必死に叫ぶ。



うちも祈る。


でも、広也の手は冷たく、固くなる。

血の気がない。



どれくらい経っただろう……。


「………19時16分、御臨終です...」


夢だと思った。

………嘘でしょ?


「嘘よ!!!広也ィィィ!!!」

広也のお母さんが錯乱する。

「母さん!広也は、もう、天国へ行ったよ…」

「いやよッ!!認めないわ
!!あの子はピアニストになるって……言って……」

広也のお母さんは崩れ落ちた。


広也の病室に、沈黙が
訪れた。



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