あの日、言えなかったこと。
プロローグ
ピピピピッ
朝の目覚ましの音で目が覚めた。
ああ、また「今日」が来たのか
ぼーとしているのもつかの間で
リビングからお母さんの声が響き渡った
「ちょっとー!
美亜、学校遅刻するわよ?
早く降りてきなさーいっ」
…―?
まだ時間だって余裕あるはずなのに…
そんなことを思いながら
時計を覗きこむ
「え―――?!」
なにこれ、なにこれ、
6時半にセットしておいたはずの時計の針は
7時半をさしていた
予想外の展開に
私はベッドからはね上がった。