あの日、言えなかったこと。



学校に行く途中に
「直樹!」
甲高い声が聞こえた
声の主は可愛らしいショートカットの
小柄な女の子だった。

「あ、瑠奈じゃん!」
…瑠奈?
直樹の友達かな…?

「おーっはよ!☆
あれ?横の子は…たしか、
永瀬 美亜ちゃんだよね?!
たしか直樹の双子の妹さん、だっけ?」
ニコッと微笑みながら
その女の子は私に話しかけてきた

「う、うん…………。」
あまりにそっけない態度に
瑠奈ちゃんはなんだか不安そうに私を覗きこんできた
「あれ、私もしかして
何かしちゃったっ?」

「ち、ちが……っ」

「それならいいんだけど
なんだか…ごめんね?
あ、直樹、私先に行くね」
そういって瑠奈ちゃんは
行ってしまった。
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