ラブソングをもう一度
それからの業務は、時間にして1時間ほど。
だけどその時間が俺には、とても長い時間に感じられた。
「お疲れさまっス」
足早にバイト用のエプロンを外す。
控え室に戻ると、俺と交代で勤務する中垣さんが居た。
あまりに急いでいる俺に、一瞬びっくりしたような顔をした。
だけどすぐに、まるで全てを悟ったかのように笑って頷いた。
「……誰かのために必死になるっていいことだよ」
そして、あいさつもそこそこに、部屋を飛び出そうとする俺に、そう言った。
「ありがとうございます」
やっばり中垣さんは、みんなから慕われているだけある。
そう思ったのは一瞬のこと。
全速力で、大通りの時計台に向かう俺に、何かを考える余裕なんてどこにもない。