ラブソングをもう一度
音が、共鳴する。
リズムが、心に響く。
ステージの上で、和泉と一つになったような錯覚に陥る。
とても、気持ちがいい。
「気分は、どう?」
15分程、今日のメインのインディーズバンドの前座として歌ったあたしに、和泉が問いかける。
「最高の気分よ。気持ちいい!」
明らかにいつもよりテンションの高いあたしは、相当楽しかったんだ、と自覚する。
「気持ちいい?彼氏とのセックスよりも?」
本当に、この男は…。
「そろそろ、帰らないと。海が帰ってくる」
和泉のお兄さんが雇っている、バイトの男の子が出してくれたオレンジジュースを飲み干す。
「帰る、ねぇ。まぁ、いいや。送るよ」
和泉と一緒に、ライブハウスを出る。
ステージの上での余韻は、消えないままだった。