ラブソングをもう一度



音が、共鳴する。

リズムが、心に響く。



ステージの上で、和泉と一つになったような錯覚に陥る。

とても、気持ちがいい。



「気分は、どう?」

15分程、今日のメインのインディーズバンドの前座として歌ったあたしに、和泉が問いかける。


「最高の気分よ。気持ちいい!」

明らかにいつもよりテンションの高いあたしは、相当楽しかったんだ、と自覚する。


「気持ちいい?彼氏とのセックスよりも?」

本当に、この男は…。


「そろそろ、帰らないと。海が帰ってくる」


和泉のお兄さんが雇っている、バイトの男の子が出してくれたオレンジジュースを飲み干す。

「帰る、ねぇ。まぁ、いいや。送るよ」


和泉と一緒に、ライブハウスを出る。

ステージの上での余韻は、消えないままだった。



< 66 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop