君に嘘を捧げよう
「ところでタクトは何お願いすんのかいなあ。織姫と彦星に」
「…なんだっていいじゃん」
「どーせアヤネちゃんがらみやろ」
「!!何言って…」
「あーそれ辞典やないか殴ろうとするのやめてーてかどこから持ってき」
言い終わる前にカイのまわりに響き渡る鈍い音。
そしてあっという間に夜。
「タクトいたー」
「おーよかった会えたー」
こっちに向かって走ってくるアヤネに俺は手をふった。
「予想以上に人多いから探しちゃった」
「近所の人も参加してるみたいだしね」
思ったより大規模な祭りだったことにびっくり。結婚記念日すげえ。
「じゃ、短冊もらいに行こっか」
「そだね」
俺らは歩き出した。