さくら、ひらひら。
第9章 好きという気持ち。
「ひ…ろ?」
「鍵開いてたし。気をつけろよ、入ってきたのが俺じゃなかったら、
今頃お前喰われてるぞ!」
そういって、「がおーっ」とオオカミの真似をする大。
誰か。
誰か、この人に告白なんてされてないよ、夢だよ。
と言ってください。
そしたら大に、「大に告られた夢見た!」って笑い話にできるのに。
あたしの表情を読み取ったのか、大が言った。
「弥生…ダメ?」
何のことを言っているのか知ってるのにとぼけてしまうあたし。
「…何が?」
「…告白…の返事」
気まずい空気が流れる。